大震災から1年と3ヶ月が過ぎようとしています。2011年度は大震災と原発事故というかつて経験したことのない深刻な状況下での幕開けでした。年度が改まり2012年度がスタートしましたが、1年前の状況からみても復旧、復興はほとんど前に進んでいません。特に原発事故による被害と不安は、事態が明らかになるにつれ、その解決には膨大なエネルギーと時間がかかることが分かってきました。

 国が震災と原発からの復興の見通しを示せない中、福島県は昨年8月に「福島復興ビジョン」を決定しました。それは一言でいえば原子力に依存しない安全・安心な持続可能な社会を県民挙げてつくりあげようという提言です。この提言に基づく復興プランが具体化され、取り組みが前進することを大いに期待するものです。

 福島県生協連合会と県内の生協との共催で「安心して住める『福島』を取り戻すための署名」を今年から取組みはじめました。その内容は第1号議案の中にあります。多くの組合員のご協力を是非お願いします。

昨年1011月には26年前にレベル7の原発事故を起こしたチエルノブイリ視察に30人の県内外の視察団(福島県生協連から2名参加)が調査に行きました。昨年の臨時総代会や労組との学習会でも熊谷福島県生協連会長に報告いただきましたが、いま各地でその報告会が行われています。

 年明けからは福島大学などの協力を得ながら、福島県生協連が全国の日本生協連などに呼びかけて「福島の子ども保養プロジェクト」を立ち上げ、全国の生協から関心と支援が寄せられています。コープあいづもこのプロジェクトの支援として311日の取り組み以来、毎月11日に店頭募金と共に店舗の供給高の1%分の寄付を行っています。当面1年間を考えています。

 県内3生協と日本生協連との協同で行われている「家庭の食事の内部被爆線量調査」も実施されています。これは3生協から100組の家庭を選び、実際に食事に出されているものを2日間6食分検査し、食卓レベルでの放射能汚染を調べます。これは、放射能への現実の対応にとって貴重な情報です。現在までの調査の結果はほとんどの家庭が1ベクレル以下で、最大数値でも112ベクレルでした。最大の数値でも年間に換算して0.1ミリシーベルト以下であり、基準とされている1ミリシーベルトの10分の1程度ということでした。

こうした福島県をはじめとした被災地の必死の努力や思いを打ち砕くがごとく、政府は「社会保障と税の一体改革」として消費税の大幅増税(10%)を強引に進めようとしています。震災前からの重大な問題である国民所得の大幅な減少、格差と貧困の拡大、中小企業の赤字の一層の拡大と倒産の進行、そして3万人を切ることのない毎年の自殺者、このような国民の暮らしが大変な時に大震災が起こりました。そして国と東京電力が国税を注ぎ込んで進めてきた原発の事故により福島県は今深刻な事態が進行しています。このような時になぜ消費税の増税なのでしょうか?日本は先進国の中で経済成長が10年間止まっている国といわれています。今日本で消費税を上げれば消費税による税収は増えても所得税や法人税などの他の税収がそれ以上に減少し、結果更なる消費税の値上げという悪循環に陥るのではないかという見方が強まっています。最近のどの世論調査でも政府が提案している今回の消費税の増税に過半数の国民が反対しています。反対の声をもっともっと強めていく必要があります。

 TPPの問題についても、被災県にとって、農業・水産業・畜産業は基幹産業です。復興にとって必要なのは地域経済が回復することです。その推進力の役割を果たすべき地域の産業が震災で苦しんで復興に向けて立ち上がろうとしている時に、一番やってはいけない事を政府は強引に推し進めようとしています。関税ゼロを原則とするTPPを導入してしまえば日本の農業は壊滅的な打撃を受けます。同時に国民皆保険制度や医療制度、薬価制度、自治体の公共事業への外資の介入や様々な日本の制度が攻撃の的になり地域経済や国民生活に広範囲にわたり取り返しが効かない事態が進行します。引き続きTPPへの参加をやめさせていきましょう。

 

2011年度の事業ですが、1億円を超える黒字決算が出来ました。震災の影響もありますが、本質はこの間の組合員の利用結集の成果であり、職員そして地元業者の支えがあって初めてできたことでした。心から感謝を申し上げます。

 店舗事業はベスタ事業開始から2年が経過しようと言う時に震災、原発事故が起き、前半はその影響が大きかったと思います。特に、宅配が2ヶ月止まった分、組合員の利用が相当程度店舗へ移りました。しかし全体としてみれば、震災前の2010年度後半からの事業の改善・改革を進めてきたことが効果を発揮し、黒字決算の大きな要因だったと見ています。

 宅配(共同購入)ですが3、4、5月と震災の影響が大きかったのですが、6月度からは完全復活し、上半期で前年にほぼ到達し、下半期は前年を供給高、事業剰余でも大きく超えることが出来ました。燃料は原油値上がりによる影響もあり、供給高、事業利益とも計画には届きませんでしたが、健闘したと思っています。

宅配(共同購入)部門は前半の遅れを後半で取り戻し、供給高、事業剰余とも年間で大幅達成することが出来ました。

 共済ですが、保有件数、掛け金、手数料収入とも前年を超え、文字通り経営の構造を支える一角に成長しています。

あいづ協同サービスも保有件数、掛け金とも順調に伸びています。

 旅行事業は震災直後の大変な時期でしたが、夏場の需要を捉え積極的に事業を強化し大きな前進をすることが出来ました。

 2012年度は3ヵ年計画の最終年度です。是非、累積赤字を解消して配当が出来るよう、結果を残したいと思います。組合員の皆さん今年度もまた一緒に頑張りましょう。よろしくお願いします。