組合員の皆様、新年明けましておめでとうございます。
国内外の政治や経済、暮らしや事業を取り巻く環境は、めまぐるしく変化しています。世界では、国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて国や地方自治体とともに、協同組合、企業、NGO(非政府組織)など多くの組織が行動を宣言し、CO2の削減や持続可能な調達などに意欲的な取組みが行われつつあります。安心して暮らせる地球環境を次世代に引き継ぐため、生活協同組合においても、事業や活動の分野でSDGsの実現に向けた展開が期待されています。
また、昨年7月に「核兵器禁止条約」が採択され、122カ国が賛成し発効する見込みです。しかし、唯一の被爆国である日本や5つの核保有国は条約に反対しました。今みんなで取り組んでいる「被爆者廃絶国際署名」を通し核兵器の非人道性を訴え、核兵器廃絶への世論を広げていきましょう。
一方、国内では、昨年強行採決された「共謀罪」などの一連の流れから憲法改正に向けた議論が本格化し、国会で発議される危険性が高まっています。平和とよりよい暮らし・社会づくりをめざし、生活協同組合の役割発揮が一層求められています。
さて、私たちの暮らしを取り巻く環境は、厳しさを増しており、不安はますます大きくなっています。戦後2番目の長さの景気拡大と言われていますが、組合員・消費者の実感は乏しい状況です。社会保障制度の見直しに向けた動きも加速し、2018年から施行される改正介護保険法では、一部の人を除き介護保険利用の負担が3割に引き上げられ、高齢者に対する負担はさらに増えることが予想されます。
生協が目指すのは事業活動を通して組合員の暮らしを良くすることです。お店や共同購入を利用することで添加物や残留農薬の面で安心出来るとか、試食や調理見本があって献立を考えるのに助かるだとか、自宅まで配達されるので便利だとか、安価で家計が助かったとか、組合員活動で友達が増えた
とか、組合員さんにとって「生協に入ってよかった」「生協があるから暮らしていける」と思っていただけるようにすることです。と同時に、組合員が生活する地域が安心して暮らせる社会でなければ、暮らしも良くなりません。「この地域に生協があってよかった」と思って頂けるような存在でありたいと思います。これまで私たちは、緊急時の災害協定や孤独死防止のための見守り協定、フードバンク、子ども食堂な
ど、行政との連携を進めてきました。また、福祉委員会等の施設訪問活動やふれあい食事会、福島のこども保養プロジェクト、ユニセフ活動などには沢山のご参加とご協力を頂き感謝いたします。本当にありがとうございます。
今年はいよいよ「ばんげ店」の建て替えという大きな事業があります。生活協同組合の事業も運動も組合員が主役です。「自分たちの暮らしや住んでいる社会を自分たちの力で良くしていく」ことを基本に、協同の歩みを更にすすめましょう。組合員の皆様一人一人が笑顔になるよう、今年もよろしくお願いします。
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