新型コロナウイルスの終息が見えない現在、あらためて新型コロナウイルスについて考えてみましょう。昨年12月8日に実施された、会津医療生活協同組合のご協力で開催した、「ウイズコロナ学習会」の内容を再構成し、ご紹介いたします。ウイルスが蔓延するこの冬を無事に乗り切って、春の訪れと共にウイルスの終息につなげたいものです。
「コロナウイルス」は、発熱や鼻水、くしゃみ、鼻づまり、喉の痛みなど呼吸器系に症状を引き起こすウイルスで、電子顕微鏡で見ると、膜に覆われた表面に突起のようなものがあります。この突起が王冠(ギリシャ語でコロナ)や太陽の光冠(コロナ)のように見えることから、「コロナウイルス」という名前が付きました。これまで人に感染するものとして6種類が知られており、その中には、SARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)など、重症化傾向がある疾患の原因ウイルスも含まれています。それ以外の4種類のウイルスが、一般の風邪の原因の10~15%(流行期は35%)になっています。今回の「新型コロナウイルス」は、7番目に発見されたウイルスです。
「新型コロナウイルス」の感染力はインフルエンザウイルスほどではありませんが、SARSやMERSに比べると強いといわれています。また、感染して症状が現れる1~2日前の段階でも感染力があること、感染しても症状が現れない「無症状の感染者」がいることも分かってきています。このような特徴から感染防止対策が非常に難しく、世界的な流行に繋がったと考えられています。
飛沫感染 |
ウイルスに感染している人が、咳、くしゃみ、会話などでウイルスを含んだ唾液などのしぶき(飛沫)が周囲に飛び散り、そばにいる人が口や鼻から吸い込むことで感染します。
※エアロゾル感染 感染者が飛ばしたエアロゾル(微細な飛沫)を吸い込むことで感染することを言います。エアロゾルというのは、くしゃみや咳、つばなどの水分が乾燥し、ほぼ病原菌だけが空中に浮遊している状態のこと。感染者と離れた場所にいても、浮遊している病原菌を吸い込む事で感染します。密閉された屋内、換気の悪い屋内などでは、エアロゾルに含まれたウイルスが数10mも浮遊し、感染する可能性があります。さらに、3時間程度は感染性を有するとの報告もあります。 |
接触感染 |
ウイルスに感染している人が、咳やくしゃみをした際に、それを抑えた手で触れたところを他の人が触り、そのまま自分の目や鼻、口などの粘膜に触れることで感染。公共の場のドアノブ、エレベーターなどのボタンやスイッチ、手すりなどにウイルスが付着していることがあり注意が必要です。 |
濃厚接触者とは?
新型コロナウイルスに感染者と近距離で接触、或いは長時間接触し、感染の可能性が相対的に高い方を指します。濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は、距離の近さと時間の長さです。必要な感染予防対策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度以内)で15分以上接触があった場合(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から総合的に判断されます)は濃厚接触者となります。
※濃厚接触者=感染者ではありません。濃厚接触者に症状がない場合、あるいは軽度の場合には、自宅での健康観察を行います。期間は感染者と最後に接触した日から14日間。この間、保健所から連絡が入り、指示を仰ぐことになります。
新型コロナウィルス感染症のPCR検査は無料?
新型コロナウイルスの検査は、発熱や咳などの症状がある方や、感染者の濃厚接触者であれば、保健所や医療機関において、自己負担なしで検査を受けることが可能です。
一方、無症状であっても、検査費用を自己負担すれば検査を受けることができます。
潜伏期間 |
新型コロナウイルスに感染すると、平均して5日前後、1日から長くても14日ほどの潜伏期間を経て症状が現れます。 |
症状 |
初期症状は、発熱や乾いた咳などの一般的な風邪の症状と似ています。ただし、それが1週間ほどダラダラと長く続き、咳が長く続く、少し動いただけで息が切れる、呼吸がしにくい、息苦しいといった症状が出て、発熱等がなくてもこれらの症状で新型コロナウイルスに感染していることが分かった方もいます。その他にも、味覚や嗅覚の異常を感じる場合もあります。
※感染しても約8割の方が軽症のまま回復していきます。しかし、残りの2割の方が、風邪のような症状が4~6日間程続いたあとに、強いだるさ、38 ~ 39℃の高熱、ひどい咳や息苦しさ、胸の痛み等が急激に悪化し肺炎となるケースもあり、軽症の場合であっても症状の変化には注意が必要です。 |
後遺症 |
新型コロナに感染して症状が軽い「軽症」とされても、後遺症の症状を訴える人が多いことがわかってきました。症状は、けん怠感、息苦しさ、脱毛や味覚障害となっています。後遺症は若い世代にも多くみられ、長く苦しむこともあります。 |
家族が感染を疑われる場合に家庭内で注意すること
①部屋を分けて生活する
・個室にする ・食事や寝る時も別室で ・部屋の中でもマスクを着用
・換気をする ・朝夕2回検温しましょう!
※部屋を分けられない場合は、少なくとも2m以上の距離を保つ、仕切りやカーテンを利用する。本人は極力部屋から出ないようにしましょう。トイレやバスルームなどの共有スペースの利用は最小限にしましょう。
※便器の洗浄は「流せるトイレクリーナー」が便利。
②感染者の世話は出来るだけ限られた方が行う
※心臓、肺、腎臓に持病のある方、糖尿病の方、免疫の低下した方、妊婦の方が感染者の世話をするのは避けて下さい。
③食事は大皿でなく小皿でとりわけ、 食器は別々に出来れば別の部屋で
④汚れたリネンや衣服を洗濯しましょう
※体液で汚れた衣類は手袋とマスクをつけて、感染者の衣類だけで洗濯。
⑤ゴミは密封して捨てて下さい
新型コロナウイルス相談窓口
発熱等の症状がある場合は、まずは、「かかりつけ医」等の身近な医療機関に電話でご相談下さい。
また、かかりつけ医がいない方や、どこに相談すればよいかわからない方は、
「受信・相談センター」0120(567)747 に電話相談して下さい。
●普段から自分の行動履歴をつけておきましょう! ●現在、こ~ぷ委員会では、コロナウイルスについて学習を進めています。